2023/05/06 18:30
マスキングテープ AMADIS(アマディス)に描かれている楽譜のお話。
Amadisは、オペラの歴史を語る上で、非常に重要な作品です。そのポイントは、この楽曲がフランス語で書かれていることに集約されます。
イタリア発祥のオペラを、イタリア語ではなくフランス語で作るよう指示したのは、当時ヴェルサイユ宮殿を建設し、ブルボン王朝全盛期に君臨していたルイ14世でした。
彼は、文化や芸術を利用して国民の心を統一し、また他国に対するフランスの威信を高めることに尽力していました。オペラの制作を依頼されたジャン=バティスト・リュリ(Jean-Baptiste Lully)はその期待に見事に応えます。
1684年に完成したこの作品は、パリの王立音楽アカデミーで初演されました。豪華な舞台装置、壮大な音楽、そして騎士道精神を描く物語が融合し、当時のフランス宮廷の優雅さと権威を象徴する作品として、国内外に衝撃を与えました。
この作品は、その後フランス・バロック時代のオペラの基盤となり、他国の音楽にも大きな影響を与えることになります。同時に、フランス語の優雅さや音楽性を強調することにより、フランスの文化的優越性を他国に示すことに成功し、王権の確立にも寄与しました。
このように、リュリの「アマディス」はルイ14世がフランス文化の発展に力を入れていた時代背景を反映しており、17世紀フランスの文化や政治の状況を理解する上で、非常に重要な文化財となっています。
ちなみに…以下から少し聴けます!
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